2023平成中村座小倉城公演の公演演目は、小倉にゆかりのある演目です。4年前に開催された折に上演された、小笠原騒動も再演されるというので楽しみです。
平成中村座小倉城公演の演目のあらすじや、見どころを紹介します。
平成中村座の舞台写真が通販で販売されています。下記からご覧ください。
平成中村座小倉城公演昼の部 演目とあらすじ
平成中村座といえば、この役者さんというメンバーが揃って出演されます。
4年前の小倉城公演では、小笠原騒動に獅童さん、歌女之丞さん、彌十郎さんが出演されていました。その時の配役を合わせて紹介していますので、前回ご覧になられた方は参考にしてくださいね。
歌舞伎は、演じる役者が違うと、同じ演目のはずなのに舞台が違って見えてまた面白いので楽しみですね。
昼の部 演目
一.義経千本桜
渡海屋
大物浦
渡海屋銀平実は新中納言知盛 | 勘九郎 |
女房お柳実は典侍の局 | 七之助 |
相模五郎 | 橋之助 |
入江丹蔵 | 虎之介 |
伊勢三郎 | 鶴 松 |
片岡八郎 | 歌之助 |
亀井六郎 | 福之助 |
源九郎判官義経 | 新 悟 |
武蔵坊弁慶 | 片岡亀蔵 |
二 風流小倉俄廓彩
鳶頭 | 勘九郎、片岡亀蔵、橋之助、福之助、虎之介、歌之助 |
芸者 | 鶴松、新悟、七之助 |
昼の部あらすじ
一.義経千本桜
渡海屋(とかいや)
大物浦(だいもつのうら)
歌舞伎三大名作の一つ『義経千本桜』の全五段中の二段目です。
頼朝の追手から逃れるため九州へ向かう義経一行は、大物浦(現在の兵庫県尼崎)の廻船問屋である渡海屋で出船を待っています。実は渡海屋の主人銀平は、壇ノ浦の合戦で死んだはずの平知盛で、典侍の局や安徳帝とともに素性を偽り暮らしています。知盛は船出した義経一行を襲いますが、返り討ちにあってしまいます。
典侍の局は義経に帝を托して自害すると、それを見た知盛も血まみれの体に碇綱を巻きつけ、海中に身を投げるのでした。
御家再興を願った武将の末路を描いた義太夫狂言屈指の名作をご覧ください。引用元:歌舞伎美人
義経千本桜 渡海屋、大物浦を初めて見た時、あらすじが頭に入ってなくてチンプンカンプンでした。歌舞伎美人さんのサイトのあらすじは、すっきりとまとまられていますので、最低限これだけは押さえておくといいと思います。
義経千本桜などの古典の演目は、イヤホンガイドお勧めです。観劇の邪魔にならないように、ポイントポイントで解説してもらえるので、予備知識がなくても楽しめます。
見どころ
知盛(勘九郎)は、素性を隠して船宿の主 銀平として、源氏への復讐の機会を狙っています。
この時の衣装は、アイヌに伝わるあつしと呼ばれる衣装で、海の男らしい豪快さが表れています。
知盛として登場するときは、白づくめの衣装になります。白糸おどしの鎧に銀烏帽子、手には白柄の薙刀を持っています。知盛は死んでだはずなので、幽霊として白装束を着て義経に襲い掛かるということになります。
どちらも格好いいです。見惚れます
義経一行から返り討ちにあう時には、白い衣装に血痕があり、汚れて、髪の毛も乱れます。迫力がありますが、少々怖さも感じるかもしれないです。ラストは碇を巻き付け、背中から真っ逆さまに海に落ちていく様子が見られます。これを背ギバといい、クライマックスになります。
安徳帝は子役の方が務めます。死を覚悟し読む辞世の句は歌舞伎の独特の子役のセリフ回し(高音で抑揚がない感じです)がなんとも物悲しく感じます。
他には、相模五郎(橋之助)と入江丹蔵(虎之介)が、銀平にあしらわれて、すごすごと帰る時のセリフが魚づくしになっていますので、注目してくださいね。
『鰯(いわし)ておけば飯蛸(いいだこ)思い、鮫(さめ)ざめの鮟鱇(あんこう)雑言。いなだ鰤(ぶり)だと穴子(あなご)って、よくい鯛(たい)目刺(めざし)に鮑(あわび)たな』(⇒言わしておけばいいだろと思い、様々の悪口雑言。田舎武士だとあなどって、よくも痛い目にあわせたな)
『鯖(さば)浅利(あさり)ながら、鱈(たら)海鼠腸(このわた)に帰るというはに鯨(くじら)しい。せめてものはら伊勢海老(いせえび)に、このひと太刀魚(たちうお)をかまして槍烏賊(やりいか)』
(⇒さはさりながら、ただこのままに帰るというは憎たらしい。せめてもの腹いせに、このひと太刀をかましてやろうか)引用元:歌舞伎美人
二 風流小倉俄廓彩(ふうりゅうこくらにわかのさとのいろどり)
『俄獅子』を基にした舞踊で、今回の小倉城公演にちなんだ演出でご覧いただきます。
賑やかな祭囃子が聞こえるなか、年中行事の“俄(仁和賀)”が行われていて、いつもよりも華やかな様子。鳶頭や芸者が現れ、華麗な廓の風情を踊り始めます。粋で華やかな長唄舞踊をお楽しみください。引用元:歌舞伎美人
鳶頭、芸者が並んだ姿は圧巻です。語彙力がなくて全く申し訳ないですが、粋でカッコイイです。素敵すぎです。
勘九郎さんの切れのある手指まで綺麗な粋な踊り、七之助さんの色気のある流し目、美しさは見ものです。
小倉の風情、場所などが歌詞に含まれるそうなので、地元の方は注意して歌も聞いてみてくださいね。
この演目で、舞台の後ろが開きます。小倉城との共演がみられて華やかな気持ちになれそうです。
勘九郎さんと七之助さん中村屋の皆さん、舞台の後ろに来ている方へ丁寧に対応されていました。
後ろへすぐにでも行きたい気持ちになりました。
夜の部演目
通し狂言 小笠原騒動
序幕 明神ヶ嶽芒原の場より
大詰 小笠原城内奥庭の場まで
前回(2019)の配役 | ||
犬神兵部 | 勘九郎 | 勘九郎 |
お大の方 | 七之助 | 七之助 |
岡田良助/小笠原遠江守 | 橋之助 | 岡田良助 勘九郎 小笠原遠江守 彌十郎 |
飛脚小平次 | 福之助 | 橋之助 |
奴菊平/小笠原隼人 | 歌之助 | 獅童 |
隼人妹小萩/林数馬 | 鶴 松 | 鶴松 |
小平次女房お早/中川源之助 | 虎之介 | 小平次女房お早 虎之介 中川源之助 ? |
良助女房おかの/遠江守内室お峰の方 | 新 悟 | 良助女房おかの 七之助 遠江守内室お峰の方 ? |
小笠原豊前守 | 片岡亀蔵 | 片岡亀蔵 |
今回は、勘九郎さん、七之助さんは一役です。どんな小笠原騒動になるか楽しみですね。
夜の部 あらすじ
通し狂言 小笠原騒動
序幕 明神ヶ嶽芒原の場より
大詰 小笠原城内奥庭の場まで
豊前小倉藩(現北九州市)で実際に起こったお家騒動と、当地に伝わる白狐の昔話を基にした芝居で、4年前の平成中村座小倉城公演でも大好評を博し、満を持しての再演です。
物語は小倉藩主の小笠原豊前守の狐狩りに始まります。側室お大の方と怪しい関係の執権・犬神兵部はお家乗っ取りを企んでいます。それに対抗するのは家臣の小笠原隼人、重臣月本主膳、旧臣の飛脚小平次と女房お早。
兵部に加担する足軽の岡田良助は、お早から兵部の陰謀を記した密書を奪いますが、家族の死を知って兵部の甘言から目が覚め本心に戻ります。果たして密書・連判状は分家の小笠原遠江守に届き、悪は滅び善は栄えるのか…。
勧善懲悪の物語がスピーディーに展開するなか、狐の化身菊平の恩返し、密書の奪い合い、水車小屋での本水を使った大立廻りなど、歌舞伎の醍醐味が詰まったスペクタクルな作品です。
善心に立ち返る良助の古典味の“モドリの演技”、一人で2役を勤め、役柄の違いを見せる俳優の演技もみどころ。平成中村座の劇場空間をいっぱいに使った熱気あふれる芝居をご堪能ください。
引用元:歌舞伎美人
「もどり」とは、歌舞伎でよく見られる要素で、悪役と思われていたキャラクターが実は善人であることが観客に明らかにされる場面やストーリー展開を指します。
もどりの場面では悪役が自分の誤りを認め、腹を切るか刺されるなどして死ぬことがあります。死の瞬間になると、その背後にある理由や本当の性格が明らかにされ、その恩を受けた人々に見守られながら哀れにも落ちていく様子が演じられます。
夜の部 見どころ
勘九郎さんが、梯子を上って2階席の前で見得をきったり、勘九郎さん、七之助さんが梯子に乗って松席の客の頭上を通ったりする演出や、橋之助さん、福之助さんによる本水による水車の演出があります。
観に行ってきました。イヤホンガイドを借りたので話もわかりやすく、見どころもばっちりでした。
中村橋之助さん、福之助さん、歌之助さんの3兄弟が、とてもおこがましい言い方になりますが頑張ってるなあってと思いました。
狐がかなり重要な役割を果たしています。狐がどう物語にかかわってくるのか楽しんでみてくださいね。
歌舞伎美人の記事で、勘九郎さんのインタビューがありましたので一部抜粋して引用させていただいています。
私と七之助が演じる、悪者の犬神兵部とお大の方でとことんいじめ抜いてやろう、という気持ちで勤めたいですね」と、冗談まじりに話します。「お家騒動は、悪の魅力がないと引き立たないので、“正義”と“悪”の対照的な色が出せたらと思います」と、語ります。
引用元:歌舞伎美人
勘九郎さんの悪役の顔、ほんとにめちゃくちゃ悪い顔になるので不思議です。普段は温厚なやさしい笑顔の印象なので、役者さんは凄いと思います。
七之助さんも悪いお顔でした。
勘九郎さんが芝翫さんの小笠原騒動を面白くて自分でチケットを買って観劇していたという演目なので面白いこと間違いないと思います。
お弟子さんのいてうさんが振りを付けた殺陣のかっこよさや、舞台の後ろが開いた時の仕掛け花火、ライトアップされた小倉城の景色をぜひ観てみたいですね。
泣かせるところもあり、派手な演出もありとても楽しい時間を過ごすことができました。全部は言わないのでぜひ現地で楽しんでくださいね。。
まとめ
この記事では、2023年11月公演、平成中村座小倉城公演のあらすじや見どころを紹介しました。とても楽しみですね。
そして、あらすじや演目とは違いますが、出演者の皆様と一緒にやってみたいのが「商売繁盛よぉ、よいよいさー」ですね。ご当地ならではの掛け声なんでしょうね。特別な時しかないのかな。
11/3掛け声できました~。嬉しかった!
今回も、小倉祇園太鼓の共演もあるようです。チケットは販売中です。博多座のホームページでご確認ください。
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コメント
初めて歌舞伎を見る人は昼と夜どっちの方が見やすいんだろう?
はなはなさんコメントありがとうございます。昼と夜、それぞれの良さがあり好みもあるので難しいのですが、見やすさでいえば夜の部の方が観やすいかもしれません。というのも再演ということなので皆さんがもう一度観たいという思いがあった演目というのと、過去の映像を見ても演出が派手で楽しそうです。昼の部の義経千本桜は歌舞伎の王道なので、もしかしたらわかりにくいところがあるかもしれませんが有名な演目なので歌舞伎を観たという感じになります。どちらを選んだとしても歌舞伎を観る時は、あらすじをしっかり読んでいくと楽しめます。イヤホンガイドも舞台に合わせて見どころを教えてれるのでお勧めです。初めての歌舞伎楽しんでくださいね。