2024.5歌舞伎町大歌舞伎観劇は、新宿歌舞伎町にあるシアターミラノ座で公演されました。
初めての歌舞伎町は、外国の方と目が合ってヤバいと慌てて目をそらしてみたり、ホストのアドトラックが何台も走っているのを見て凄いと思ったり、大きな猫がビルにいたりして田舎にはない景色にドキドキでした。
キョロキョロしながらシアターミラノ座無事到着。会場はとても素敵な空間で歌舞伎を楽しむことができました。
正札附根本草摺(しょうふだこんげんくさずり)
曽我五郎時政 中村虎之介
小林妹舞鶴 中村鶴松
ざっくり演目紹介
古典の舞踊で曽我物(曽我兄弟の仇討ちを題材にした物語)と呼ばれるものです。
題名にある草摺(くさずり)は鎧の裾の部分です。
父の仇を討つために鎧を持ち出発しようとする曽我五郎時政。それを時期が早いととめようとする舞鶴(力持ちの女性)。舞鶴は止められないことがわかると今度はしおらしく花魁の真似をして色模様で引き留めようとします。
それでも出かけようとする時政と止める舞鶴。
草摺(くさずり)引き合って幕となります。
流星
流星 中村勘九郎
牽牛 中村勘太郎
織姫 中村長三郎
この演目は、歌詞を見ておくと一層面白いです。清元國惠太夫さんのブログをぜひご覧ください。
聞きなれないので難しいですが、歌詞を知っていると知らないとでは絶対に違います。色のついた部分だけでも軽く頭に入れておくといっそう楽しめます。
父雷、母雷、子雷、婆雷、勘九郎さんの4役の演じ分けは凄いです。顔も体も表情豊かで素晴らしい踊りです。
勘九郎さんの長男・勘太郎さんがとても大きくて驚きました。二男・長三郎さんのまん丸のお顔は福を招いてくれそうです。
勘九郎さんの褌姿、白く塗った足、最前列の方は目のやり場に困っちゃうんではないのではないかなと思いました。
福叶神恋噺(ふくかなうかみのこいばな)
貧乏神おびん 中村七之助
大工辰五郎 中村虎之介
貧乏神すかんぴん 中村勘九郎
ただただ楽しい演目なので気負わず見れます。
江戸の裏長屋に住む大工の辰五郎は悪い人間ではないのですが、ついつい人に甘えてしまうところがあります。酒ばかり飲んで、働きに行こうとしないで、昼間から寝ていると、その枕元に不思議な女が現れます。女は「わたしは貧乏神だ」と名のり、意外なことに「もっと真面目に働きなさい」と説教をしはじめます。訳を聞いてみると、貧乏神は人間が一生懸命働く力を吸い取って、それを養分にしているとのこと。ところが、辰五郎はまったく働こうとしないので、「吸い取る養分がないじゃないの!」と苦情を言うために姿を現したのです。
辰五郎は貧乏神の要望に応えて働くことにしますが長続きはせず、三日坊主ですぐに元のなまけ者に戻ってしまいます。「このままでは家賃も払えなくなる」と心配した貧乏神は、手内職を始めます。働き者の貧乏神は長屋の人たちからも「おびんちゃん」と呼ばれて人気者になり、みんなと仲良く暮らすようになります。その様子を陰ながら見ていた先輩貧乏神のすかんぴんが姿を現し、おびんちゃんに「神様として、これ以上人間の暮らしに深入りしないように」と忠告を与えるのですが、世話好きのおびんちゃんは聞く耳をもたず…。
落語の「貧乏神」を題材に、どこか憎めない貧乏神をはじめ、 個性豊かな登場人物たちが織り成す世話狂言の新作歌舞伎です。引用元:歌舞伎美人
虎之介さんの辰五郎。ほんとに憎めない、可愛らしい母性本能をくすぐるタイプで、面倒見たくなっちゃいます。
七之助さんのおびんちゃんは、健気で綺麗です。ある演目のパロディもあって楽しさ満載でした。
勘九郎さんのすかんぴんは、The 貧乏神でした。話を盛り上げる役です。
お弟子さんたちのコールがとっても楽しい。新宿歌舞伎町ならではの演目でした。
まとめ
歌舞伎町大歌舞伎、華やかで、綺麗で、楽しい演目が並びました。
残念ながら、ホスト風のアドトラックは見ることができませんでしたが、とても楽しい時間を過ごすことができて幸せでした。
松本での上演も楽しみにしています。
コメント