18世中村勘三郎13回忌追善 猿若祭2月大歌舞伎を観に行きました。
以前から観てみたいと思っていた演目「籠釣瓶花町酔醒(かごつるべさとのえいざめ)」や勘太郎さんの「猿若江戸の初櫓」勘九郎さん長三郎さんの「連獅子」、鶴松さんの「野崎村」贅沢な演目でした。
3階席でオペラグラス無しで観るのを常としています。中村屋の定式幕がとても嬉しい歌舞伎座です。
昼の部
新版歌祭文 野崎村
鶴松さんのお光ちゃんはほんとに健気で可愛かった。そして可哀想だった。人生の頂点から一機に蹴落とされて地面にめり込んで埋もれてしまう位の悲劇。お光ちゃんの悲しさがひしひしと伝わって涙がほろりでした。
包丁さばきが凄い上手かった。
釣女
獅童さんの間は絶妙で笑いを上手に誘います。醜女の芝翫さんも動きが楽しい。新悟さんはとても綺麗でした。
笑える楽しい演目です。ただし笑えない人もいるそうです。難しいですね。
籠釣瓶花町酔醒
七之助さんの八つ橋綺麗でした。芝のぶさんの七越綺麗でした。仁左衛門さんの栄之丞いい男でした。勘九郎さんの次郎左衛門狂気でした。
暗転からの花街目を奪われ、花魁道中も華やかで綺麗。七之助さんの花魁は無敵だわ。次郎左衛門の田舎者っぷりが凄いけれど、その後きっちりと着物を着こなしてしゃんとした姿をみると素敵なしゃれた人に見える。人は見かけも大事。
身受けの約束が八つ橋の愛想尽かしでご破算になる。それも多くの人がいる前で。
そりゃあんまり袖なかろうぜ
一旦その場を納めて、4カ月後、女将さんやお店の人の様子を見るとほんとに次郎左衛門さんはいい人で人気があったんだろうなと思える。
でも顔つきが少し違う。覚悟している顔。お酒を飲む姿。人を殺める。憎い八つ橋だけでなくて、女中さんも。狂気という言葉であっているのかな。恐ろしいものを観てしまった。
勘九郎さん凄い役者さんです。
夜の部
猿若江戸の初櫓
勘太郎さん大きくなられました。勘九郎さんから稽古をつけてもらっているのは当然なのですが、勘九郎さんが見えるそんな踊りでした。指先まで綺麗な所作はお父さん譲りかな。この先も楽しみです。
七之助さんや中村屋の皆さんの温かい眼差しに見守られ素敵な舞台でした。勘九郎さんはどこでご覧になられてるのかな。
義経千本桜 すし屋
すし屋。難しいお話ですね。初見ではさっぱりわからず居眠っていた覚えがあります。まあ、でも歌舞伎座で居眠ることは贅沢の一つと思ってます。
役者さんが豪華でした。中村屋の舞台では見かけない方が多くて嬉しい。歌六さんは存在感が凄い。梅花さん好きだな。梅枝さんも久しぶりで、又五郎さんは初だったかもしれない。時蔵さんは女方のイメージだったけど色男役だった。
連獅子
割れんばかりの拍手というのはこのことなのか。今まで経験したことのない感情に揺さぶられ、涙が出てきました。多くの人が中村屋の連獅子を楽しみにしているんだと感じました。
勘九郎さんは流石です。ピタピタッと決まり、手先足先まで綺麗な所作。仔獅子を見守る姿は温かくもあり、厳しくもありという感じです。
長三郎さんはお顔がりりしく見えました。子どもが演じる仔獅子は初めて観ましたがどうしても目が行ってしまいます。広い舞台を親獅子と同じペースで動くのは相当大変だと思います。すごいスピードで舞台を移動しているように見えました。
この日の毛振りは、勘九郎さんが凄かった。圧倒的なスピードで毛先が渦巻く。長三郎さんも負けじと頑張っていたけど、勘九郎さんの凄さを見せつけられました。
凄いものを観てしまった。
まとめ
毎月どこかで上演される歌舞伎、20日近く上演日があるから、都合が悪いといえない・・・なんとか都合をつけて出かけようと算段をしてしまいます。いやいや我慢する時もありますが。
次は3月名古屋 平成中村座同朋高校は東京よりは近いけど、チケット代がお高いからね。でも行くんです。平成中村座の建物でなくて高校体育館。これもどんな雰囲気なのか知りたい!と思います。
コメント