2024年4月14日(日)岐阜県中津川市かしも明治座で行われた18世中村勘三郎13回忌追善中村勘九郎中村七之助春暁歌舞伎特別公演2024の昼の部レポです。
かしも明治座は、地元の方々で運営されていて芝居小屋見学で、大型バスでツアーが組まれているほど人気の芝居小屋で、七之助さんが名誉館主になっています。
12時開演の予定でしたが、開演時間になっても始まらないので、おかしいなと思っていたら、勘九郎さん休演でした。
突然のことだったらしく、対応が決まらなかったようで、加子母明治座のスタッフの方が、娘引幕の案内をして場をつなぐという一幕もありました。
トークコーナー(思いつくまま順不同)
吉崎さんが出てきて、トークコーナーへ。この時点でマイクが二つしか置いてなかったので、今日は勘九郎さんと七之助さんだけなんだと思ったら、出てきたのは七之助さんと鶴松さんのお二人でした。
あれ?と思ったら七之助さんから勘九郎さんが体調不良で出られないことが告げられました。
申し訳ないというのと、白塗り見たいでしょ、ということで、トークショー、お弟子さんの若鶴彩競廓景色のあと、踊鶴五條橋は、間(あい)狂言からはじめて、牛若丸と常盤御前の母と子の情愛のところで幕とするという提案がありました。
ちなみに五毛座では、牛若丸と常盤御前→間狂言→牛若丸と武蔵坊弁慶でした。
弁慶の代役をたてるよう考えていたけれど、薙刀を使って殺陣をするところがあり、狭い場所なので、普段稽古してないと一人二人切ってしまうかもしれない、とても危険だからということで、弁慶と牛若丸の一番の見どころ、激しい殺陣の部分は無しとなったとのことでした。(七之助さんユーモアを交えて、お話してくださいました)
時間通りに開演しなかったのは、このことを話し合ってたと思います。
10月も同じ演目で錦秋公演をやるので、加子母明治座追加するよう話をします。とも。実現したら嬉しいですね!
他の公演で質問があった時に、本番10分前に発熱して動けない状態になったという話があったそうです。
質問コーナー
歌舞伎とは関係ないけど、私もタイガースファンですと質問者。七之助さんここでタイガースファンはまずいでしょといいながら、質問者とやり取り。
長三郎さんがタイガースのどなたかに似てると思っていると質問者が伝えたところ、それは考えたことがなかったと、鶴松さんにどう?と振る。鶴松さんも首をかしげて似てないと思うというような雰囲気。
この辺りは中日ですか?兄は中日ファンなんですよ。1年位前から。慣れないことするからこんなことになっちゃったんじゃないの。なんて言ってました。
途中、鶴松さんの前に蜘蛛が降りてきて、「あっ、蜘蛛」「蜘蛛が降りてきた」と目で蜘蛛を追っていました。
カメムシも舞台上飛んでいて沢山いるという話から、内子座で七之助さんの顔についていた話になり、七之助さんは「平気だったよ」鶴松さん「無理かもしれない」と、鶴松さんが虫苦手ということが発覚したのでした。
カメムシが顔についているのに演技してるって、七之助さん最強と思ったのでした。
鶴松さん、東座でおひねりが一万円札で飛んできて驚いた話。七之助さんに「催促してるの?こんな時に信じられない」と、五毛座(もしくは内子座)では投げる人が2階からドバっと投げ入れたんですが、東座は観ている人が投げてくれた。父もすし屋で切腹して幕となるところで、腹を切りながら笑っていた(喜んでいた)と。
芝居小屋で初めておひねりをもらった。おひねりの文化いいですね。
おひねりを投げるというところをお賽銭を投げると言い間違えて、慌てて訂正してました。
1万円のおひねりを投げてくださった方が挨拶に来て、自分で考えた歌舞伎のセリフを3分くらい聞かされて、どうしたらいいのか困った。その人が波多野さんというひとで、僕の本名は波野っていうんですよ。あっ、どうでもいいですよね。
平成中村座を岐阜でやってほしい
どこがありますか?と質問。質問者が長良川と答えると、こういう芝居小屋でやった方がいいでしょと、2月歌舞伎座猿若祭鶴松さん「野崎村」両花道を使ってやることを熱弁。
歌舞伎座では花道を久松が籠に乗って去っていく演出だったが、両花道の、正面右側を使って久松が籠に乗って去っていくとすると、お光の演出が本来の形になるとのことでした。鶴松さん「やりたい」と真剣に答えてました。
他にも四谷怪談も夜やるといいねーナイト歌舞伎とか、こういう場所芝居小屋は色々なアイディアが生まれると。
ぜひ、実現していただきたいと思います。待ってます。
跡を継ぐと意識したのはいつ?
父が亡くなった時に後を継ぐ、やらなきゃいけないんだろうなと意識した。歌舞伎をやるかどうかというのは中学生の時に父に聞かれた、やらないなら養子をとると言われていた。歌舞伎を継ぐという意味ではその時。好きじゃないと続けられないと、何度も。
最後に、演目の詳細なあらすじ。とてもわかりやすくお話してくださいました。
若鶴彩競廓景色(わかづるいろどりきそうさとげしき)
お弟子さんの一人中村仲侍さんのXです。首抜きかっこいいですね!仲侍さんとても踊りが上手でついつい目が行ってしまいます。
十八世中村勘三郎 十三回忌追善
春暁歌舞伎 2024
若鶴彩競廓景色の鳶頭にて、中村屋の替紋である舞鶴の首抜きを着させて頂いております。
嬉しくて有難くて、言葉で言い表せられない喜びがございます…
ちなみにこちらの舞鶴の首抜き、これを着ている他の芝居の登場人物、皆様わかりますでしょうか?☺️ pic.twitter.com/xI2MPE4Bt7— 中村仲侍 (@nakaji_nakamura) April 13, 2024
中村屋の紋と言えば角切銀杏ですが、替紋が舞鶴なんですね。七之助さんが舞鶴の衣装を着ているイメージがあります。(お染七役の時のお六)
踊鶴五條橋(ぶかくごじょうばし)
間狂言からスタート山座衛門さんといてうさん。楽しいお芝居
その後、牛若丸と常盤御前の親子の情愛のお話。常盤御前が牛若丸を見送って幕。
まとめ
2024年4月14日(日)かしも明治座で行われた「18世中村勘三郎 13回忌追善 中村勘九郎中村七之助春暁歌舞伎特別公演のトークコーナーを主にまとめました。
勘九郎さんが体調不良で休演されてとても残念でしたが、辞める選択ではなくて、なんとかしてやろうとして色々考えて、勘九郎さんが出演していた部分をなくしてでも、公演していただき感謝です。
4月15日の相生座、4月18日の秋田県鹿角郡小坂町康楽館では七之助さんが常盤御前と武蔵坊弁慶を二役されるという案内が出ていました。勘九郎さんの回復をお祈りいたします。
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